渡航前の手続きって?
留学の手配は完了!でも、日本の役所で必要な手続き等について忘れていませんか?
帰国後の生活をスムーズに再開するためにも、留学に行く前に必要な手続きについて押さえておきましょう!
必要な手続きは①住民票(海外転出届)②国民健康保険 ③国民年金 ④マイナンバー の4つがあります。
Contents
1、住民票
基本ルール
1年以上の渡航を予定している場合、現在お住まいの市区町村役所に海外転出届を提出する必要があります(これを通常、「住民票を抜く」と表現します)。
■1年未満の留学:住民票を抜く必要はありません。
■ワーキングホリデーの場合:1年を超える渡航として申告可能。(最長で2年間の滞在が可能なことと、ワーキングホリデー後に他の国に行く可能性もあるため)
住民票を抜いたらどうなるの?
住民票を抜いた場合、影響があるのは、住民税の支払い及び国民健康保険の加入状況です。
住民税の支払い義務:
住民税は、原則としてその年の1月1日現在に居住地の(住所のあった)市町村で課税されます。
留学を理由に1年以上海外で居住する場合は、日本国内に住所を有しないものとして判断され、1月1日をまたいで1年以上出国した場合には、その年度の住民税については課税されません。
*ただし、市区町村によっては、ワーキング・ホリデーでの滞在を「居住」ではなく「旅行」みなされることがあります。そのため、1年以上の予定の出国中であっても、出国前の市区町村に住所があるものとして取り扱われ課税されることがあります。
国民健康保険の加入状況:
住民票を抜くと、自動的に国民健康保険から脱退することとなります。国民健康保険を脱退すると保険料の納付義務は無くなります。国民健康保険を脱退することについての詳細は後でご紹介します。
手続きの際の注意
手続きの時期 | 転出する前に (余裕をもって2週間前には済ませましょう) |
手続きに必要なもの | ・印鑑 ・国民健康保険被保険者証(加入者のみ) ・届出人本人であることが確認できる書類(運転免許証、マイナンバーカード(個人番号カード)、住民基本台帳カードなど) |
手続きができる人 | 本人または世帯主 |
2、国民健康保険
基本ルール
前述したように、住民票を抜くと、自動的に国民健康保険の資格喪失(脱退)となります。
国民健康保険を脱退したらどうなるの?
国民健康保険の保険給付が受けられなくなります。
国民健康保険では、「海外で日本の保険の対象となる治療をした場合は保険金を支払う」としていますが、その保険金は実際に掛かった治療費ではなく、「日本で治療した場合の標準額」を元に計算され、さらに3割の負担もあるため、通常の治療については加入しておくメリットはほぼないと言えます。
ただし、別にご加入の海外旅行保険で歯科治療を保障内に含めておらず、緊急治療が必要な場合を想定すると、国民健康保険に加入していると安心です。(オーストラリアの歯科治療は高額なため)
3、国民年金
国民年金については1.任意加入 2.「海外転出」を理由にカラ期間とする 3.保険料の納付免除/猶予 扱いにしてもらう の3つの選択肢があります。それぞれについて詳細をみてみましょう。
任意加入
海外転出を理由に住民票を抜いても、任意加入で国民年金に加入し続けることが可能です。この場合、保険料は渡航前と変わらず継続して支払います。メリットは、受給年齢に達した際に、受給額が満額支給されることです。
「海外転出」を理由にカラ期間とする
カラ期間とは「年金加入期間としてカウントされるが、将来の補償額がその分だけ減算される期間」の事です。
つまり、カラ期間は年金受給資格に必要な加入期間である10年のカウントには含まれますが、受給年齢に達した際に支給される受給額は満額ではなく、カラ期間の分だけ減額された額が支給されることとなります。
カラ期間の間は、年金の保険料を支払う必要はありませんが、保険料を払わなくていいかわりに、年金の総支給額が少なくなる、また、期間中にケガや病気で障害や死亡といった不慮の事態が発生した場合、障害年金や遺族年金を受け取ることができないというデメリットもありますので、一概にこの方法がいいとは言えません…。
ご家族とよく話し合って決めてください。
保険料の納付免除/猶予 扱いにしてもらう
ある条件を満たしている場合、海外転出中の国民年金の保険料の支払いを免除/または猶予してもらえることがあります。
保険料免除・納付猶予を受けた期間中でも、ケガや病気で障害や死亡といった不慮の事態が発生した場合は障害年金や遺族年金を受け取ることができるという点では、カラ期間とするよりもメリットは大きいといえます。
詳しくはお住いの市区町村の担当者にご確認ください。
4、マイナンバー
海外居住者にはマイナンバーが付与されないと言われていますが、それでは一時的に海外に滞在する人はどうすればいいのでしょうか。
この点について、内閣官房マイナンバーカードに関する質問では以下のように答えられています。
「個人番号カード・通知カードどちらも返納が必要です。ただし、国外転出後に個人番号カード・通知カードは失効しますが、当該カードを返納した者がマイナンバーを把握する手段を確保するため、当該カードの返納を受けた市町村長は、国外への転出により返納を受けた旨を表示し、当該カードを返納した者に還付します。」
つまり、返納を受けた市区町村は、カードに「国外転出の為失効」というような内容の記載をし、失効したカードを再び本人に返す、という手続きになります。
帰国後にカードの再発行(失効したカードを再び有効にする手続き)をスムーズにするためにも、失効したカードは大事に保管しておきましょう。
5、おわりに
いかがでしたか?
市町村によって手続き方法や取り扱いが異なることがありますので、詳細についてはお住いの市町村区に直接お問合せすることをお勧めします。いずれにせよ、手続きの準備は早めに済ませましょう。
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